過去問27年度 占有
占有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 甲建物の所有者Aが、甲建物の隣家に居住し、甲建物の裏口を常に監視して第三者の侵入を制止していたとしても、甲建物に錠をかけてその鍵を所持しない限り、Aが甲建物を占有しているとはいえない。
- 乙土地の所有者の相続人Bが、乙土地上の建物に居住しているCに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Cは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。
- 丙土地の占有を代理しているDは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。
- 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。
回答「3」
【解説】
民法198条
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
例えば、Aがある土地を占有していたとします。
突然Bが現れて、Aが占有している土地に勝手に入ってきたらAは当然「勝手に入るな」と言いますよね?
これは、198条を根拠としているのです。
土地の所有者しか、妨害排除ができないとなると困るので、民法は占有者に対しても198条の権限を与えてくれているのです。
また、Dは占有を代理している人ですが、あなたがDだとしたら、「勝手に入るな」とBに文句を言いませんか? 代理人といえども妨害を排除する権利があります。
民法197条
占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。
※「占有保持の訴え」「占有保全の訴え」「占有回収の訴え」を総称して『占有の訴え』と呼びます。
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