宅建2019年!!独学勉強で合格♪

2016年度あと1点足りず。。今年2017年は勉強できず。。30点止まり。。2018年!三度目の正直でやっと合格しました!

民法「賃貸借」 ~宅建試験勉強~

今日は賃貸借について(^_^)/~


賃貸借とは、当時者の一方(賃貸人)が相手方(賃借人)に対して目的物を使用収益させることを約し、賃借人がこれに対して賃料を支払うことを約することにより成立する、諾成契約。(不動産屋でお部屋を借りたりね。。)


賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間は、20年を超えることができず、これを超える期間を定めたときは、20年に短縮される。
この期間は更新できるが、その期間も20年が限度である。
なお、最短期間の定めはない。


対抗要件
不動産の賃貸借の登記をすると、賃借人は、その後その不動産について物権を取得した第三者に対しても、賃借権を主張できる。
※対抗力のある賃借権が設定されている不動産を、賃貸人が譲渡する場合、特段の事情がない限り、賃借人の承諾を得る必要はない。
しかし、譲受人は、賃貸人としての地位を賃借人に主張する(たと、賃料の請求をする)には、登記を備えなければならない。

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AがBに土地を賃貸し、Bが賃借権の登記を備えた場合、その後、Aがその土地をCに売買(Bの承諾は不要)しても、BはCな賃借権を対抗できる。(BC間に賃貸借契約が移行する)
なお、CがBに対して賃料を請求するためには、所有権の移転の登記を備える必要がある。

なお、賃借権の登記には、賃貸人の協力が必要だが、賃貸人には、この登記に協力する義務はない。



賃借物の修繕

賃貸人は、賃借物の使用・収益に必要な修繕義務を負う(特約があれば別)。
賃借人は、賃貸人が行う保存行為買った修繕行為)を拒めない。

 


必要費と有益費

賃借人が、目的物の価値を維持し、又は増加させる費用を支出した時に、その費用を賃貸人から返還させようとする制度。
賃借人の行為によって賃貸人は何らかの利益を受けているから。

①必要費
賃借人は、修繕費など賃貸人が負担しなければならない必要を代わりに支出したときは、直ちに、支出額の償還を賃貸人に請求できる。

②有益費
賃借人は、改良費などの有益費を支出したときは、賃貸借終了時に、賃貸人の選択により支出額または現存増加費のいずれかの償還を、賃貸人に請求できる。


留置権
1.賃借人は、必要費・有益費の償還を受けるまで、留置権に基づき目的物の返還を拒める。
しかし、それによる利益(賃料相当額)は、返還する必要がある。

2.また、留置権に基づき目的物の返還を拒否している場合に、さらに必要費を支出したときは、その必要費のためにも、留置権を行使できる。

3.しかし、賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除された後に、賃借人が必要費を支出しても、留置権を行使できない。

 


賃借権の譲渡・転貸


1.無断譲渡・転貸の禁止
賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
賃借人が、賃貸人に無断で、第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、賃貸借契約の解除をすることができる。
ただし、無断で行っても、転貸借が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人は解除できない。

 

承諾を得た賃貸借の譲渡

賃貸人の承諾を得て、賃借権の譲渡が行われると、賃貸人は契約関係から離脱し、賃貸人と譲受人との間に賃貸借契約が存続することになる。

 

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AがBに建物を賃貸した後、BがAの承諾を得て、賃借権をCに譲渡すると、Bは契約関係から離脱し(AB間の契約は終了)、AC間に賃貸借契約が移行する。

 



承諾を得た転貸


①賃貸人の承諾を得て賃借物を転貸(また貸し)した場合、当初の賃貸借契約は存続し、さらに、転貸人と転借人との間に賃貸借(転貸借)契約が成立する。


②そして転借人は、賃貸人に対しても直接に義務を負う。賃貸人は転借人にも賃料を請求できる。
※この場合、最初の賃貸借契約で定めされた賃料と、転貸借契約で定められた賃料を比較し、額が少ない方の分しか請求できない。

 

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AがBに建物を賃貸した後、BがAの承諾を得てその建物をCに転貸した場合、AB間の契約は存続し、さらにBC間に転貸借契約が成立する。

 

 

AC間には、契約が存在しないが、Aを保護するため、民法は、Cが直接、Aに対しても義務を負う(AはCに対しても賃料請求できる)ことにした。

③賃借人の債務不履行により賃貸借が解除されたときは、転貸借は、賃借人の債務不履行により終了し、転借人は賃貸人に対抗することができない。なお、賃貸人が賃貸借を解除するのに、転借人に支払いの機会を与える必要はない。


敷金関係

敷金とは、不動産の賃貸借契約に際して、賃借人が借賃その他の賃貸借関係により生じた債務を担保するために、あらかじめ賃貸人に交付する金銭。
※賃借人からは、延滞賃料分を敷金から充当する旨を賃貸人に主張できない。しかし賃貸人が、自ら敷金で充当することはできる。



返還請求権の発生時期 重要!


敷金返還請求権は、目的物を明け渡した時に発生する。
よって、目的物を明け渡した後でなければ、返還請求は認められない。
つまり、敷金の返還と、目的物の明け渡しは、同時履行の関係に立たない。

※敷金返還請求権は、目的物の明け渡しの時に発生するが、明け渡し前に、敷金返還請求権に質権を設定することができる。
質権者は充当後の残額にのみ質権を行使できる。
※目的物の明け渡し前に、敷金返還請求権が差し押さえられても、賃貸人は、未払い賃料について敷金から充当することができる。

 

 


当事者の変更と敷金関係


当事者(賃貸人または賃借人)が変わった場合、従前の敷金関係はどのようになるか。

 


①賃貸人の変更

賃貸借契約中に、賃貸人が変更したとき(目的物の譲渡が行われたとき)は、敷金から延滞賃料等を差し引いた残額が、新賃貸人に承継される。

Aが建物をBに賃貸し、Bから敷金を受領した後、Aがその建物をCに売買した場合、敷金からBの延滞賃料を差し引いた残額が、Cに引き継がれる。よってBはCから敷金の返還を受けることになる。

※賃貸借「終了後」に、賃貸人が変更したとき(目的物の譲渡が行われたとき)は、敷金に関する権利義務は、新賃貸人(新所有者)に当然に承継されるものではなく、また旧賃貸人(旧所有者)と新賃貸人(新所有者)との間の特別の合意のみでは譲渡することはできない。

②賃借人の変更


賃貸借契約中に、賃借人が変更したとき(賃借権の譲渡が行われたとき)は、特段の事情のない限り、敷金関係は新賃借人に承継されない。

AがBに建物を賃貸し、Bから敷金を受領した後、BがAの承諾を得て、賃借権をCに譲渡しても、敷金関係はCに引き継がれない。よって、Bは、Aからの敷金の返還を受けることになる。

 


賃貸借の終了


解約申入れ
期間の定めのない賃貸借の場合、各当事者は、いつでも解除の申入れをすることがで、土地賃貸借は解約の申入れの日から1年経過すると、建物賃貸借は解約の申入れから3ヶ月を経過すると終了する。

 


賃貸借の解除


賃貸借の解除は、将来に向かってのみ、効力を生ずる。
継続的契約の解除に遡及効を認めると、当事者の関係を複雑にするので、遡及効を制限した。
※賃借人が死亡しても、賃貸借契約は終了せず、賃借権は相続される。
※賃借人が賃貸人との間の信頼関係を破壊し、賃貸借契約の継続を著しく困難にした場合は、賃貸人は、催告をしないで、契約を解除することができる。

 

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民法「売買」 ~宅建試験勉強~

今日は「売買」について(^u^)

 

売買とは
売買とは、当時者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって成立する、双務、有償、諾成の契約。

手付
手付とは、契約の締結に際し、当時者の一方から相手方に交付させる金銭その他の物。
手付はその性質によって様々なものがあるが、特約のない限り、解約手付として扱われる。


解約手付《重要》


解約手付を交付した場合、相手方が履行に着手するまでは、交付者(買主)は手付を放棄し、受領者(売主)は手付の倍額を返還して、契約を解約することができる。

①自分が履行に着手していても、相手方が履行に着手していなければ、手付の解除ができる。
解除の可否は「相手方の履行の着手」の有無で決まる。

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※現在、Bは手付を放棄して解除できるが、Aは、手付の倍額を返還しても解除できない。
また、Bは、支払った代金の一部(中間金)の返還を求めることができる。

※売主が契約を解除するためには、買主に対して、単に手付の倍額を償還する旨を告げるだけでは足りず、倍額について現実の提供を行うことが必要。


②手付による解除が行われても、損害賠償の問題は生じない。


また、手付が交付されていても、要件が満たされれば債務不履行による解除ができる。その場合、手付の額とは無関係に、損害賠償請求ができる。

 

 


売主の担保責任


①売主の担保責任とは
たとえば、新築住宅を購入したら雨漏りがひどい場合、買主は、売主に故意・過失がなくても、損害賠償を請求することができる。
このように、売買契約の売主が法律上当然に負わなけらばならない責任を、売主の担保責任という。

②売主の担保責任の種類
担保責任が生じる場合として次の6項目が重要!

1.権利の全部が他人に属する場合
2.権利の一部が他人に属する場合
3.数量を指示した売買で、その数量が不足している場合
4.他人の用益的権利が存在する場合
5.他人の担保権が実行され、買主が所有権を喪失した場合
6.目的物に隠れた瑕疵が存在する場合

いずれも無過失責任。原則として任意規定

 

 

1.権利の全部が他人に属する場合

 

民法上、他人の物を目的とする売買契約(他人物売買)は有効。
売主は、当該目的物を他人から取得して、買主にこれを移転する義務を負う。
そして売主が買主に権利を移転できない場合、担保責任が生じる。 

 

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C所有地を目的としたAB間の売買は有効である(Cの意思に無関係)

Aは、Cから土地の所有権を取得し、これをBに移転する義務を負い、この義務が履行できない場合、次の担保責任を負う。

①買主は、善意の場合、契約の解除と損害賠償請求ができる。
②買主は、悪意の場合、契約の解除のみできる。
※いずれも、権利行使期間に制限はない。

なお、売主が善意のときは、買主に損害賠償をして「売主から」契約の解除ができる。また、買主が悪意のときは損害賠償をしなくても解除できる。



2.権利の一部が他人に属する場合

たとえば、売却した土地の一部が他人の土地であり、売主がその部分の権利を買主に移転できなかった場合、担保責任が生じる。

 

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Aが売却した土地の一部は、Cの所有地であった。
Aは、Cからその部分の権利を取得し、土地全部をBに移転する義務を負い、これが履行できない場合、次の担保責任を負う。

①買主が善意の場合、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除ができる。
②買主が悪意の、代金の減額請求のみできる。
※①の権利は「事実を知った時」から、②の権利は「契約の時」から、それぞれ1年以内に限り行使できる。

なお、契約の解除は、残存する部分のみであれば買主が買わなかったであろうときに限ってすることができる。



3.数量を指示した売買で、その数量が不足している場合



単価と数量を示し、それを元に代金を定める売買を数量指示売買という。たとえば、1平方メートルあたり10万円で100平方メートルの土地を買ったが、実際には80平方メートルしかなかった場合、担保責任が生じる。

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契約当時に既に目的物の一部が滅失していた場合も、同様の担保責任の問題として処理される。

①買主が善意の場合、代金減額請求、損害賠償請求、契約の解除ができる。

②買主が悪意の場合、担保責任は追求できない
※①の権利は、「事実を知った時」から1年以内に行使する必要がある。



4.目的物に用益的権利による制限がある場合


たとえば、家を建てようと思って土地を買ったら、その土地に登記した賃借権が存在していたため、家を建てられなかった売買、担保責任が生じる。
なお、契約の解除は、契約の目的を達成できない場合にのみ、することができる。

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①買主が善意の場合、損害賠償請求と契約の解除ができる。
②買主が悪意の場合、担保責任の追求はできない
※①の権利は「事実を知った時」から1年以内に行使する必要がある。

 

 

5.目的物の担保物権が実行され買主が所有権を失った場合

 

売買の目的物に設定されていた抵当権などが実行(競売)され、買主が所有権を失った場合、担保責任が生じる。

 

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単に抵当権が設定されているだけでは担保責任は生じない。

①買主は善意、悪意を問わず、契約の解除と損害賠償請求ができる
※行使期間に制限はない。
※買主は、抵当権消滅請求等により抵当権を消滅させた場合のように、自己の費用で所有権を保全したときは、売主に対し、その償還と損害賠償請求をすることができる(買主の善意、悪意を問わない)
また、買主は、抵当権消滅請求の手続きが終わるまで、売買代金の支払いを拒むことができる。

 

 

瑕疵担保責任


売買の目的物に、隠れた瑕疵があった場合(たとえば、購入した建物の土台が契約時からシロアリに食べられていたような場合)、担保責任が生じる。

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①買主が善意・無過失の場合、契約の解除と損害賠償請求ができる。
②買主が悪意の場合、担保責任の追求はできない
※①は「事実を知った時」から1年以内に行使する必要がある。

損害賠償請求権は、買主が引渡しを受けた時から10年で、時効により消滅する。

なお、契約の解除は、契約の目的を達成できない場合にのみ、することができる。
※ここでいう「瑕疵」は、法律的瑕疵も含む。したがって、建物を建てる目的で土地を買ったところ、都市計画法の規定により建物を建てられなかったような場合も、売主は責任を負う。

 

 


担保責任免除の特約


担保責任に関する規定は強行規定ではないので、契約当時者がとくによって担保責任を負わない旨を定めた場合、その特約は有効。
ただし、売主が瑕疵の存在を知っていながら買主に告げなかったとき、及び売主自ら目的物を第三者に譲渡したような場合は、担保責任を負わない特約をしていても、売主は責任を免れることができない。

 

 

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民法「相殺」 ~宅建試験勉強~

今日は相殺(そうさい)について!(*^_^*)

 

相殺とは、当時者が相互に同種の債権をもつ場合に、当時者の一方からの意思表示によって、その債権を対当額において消滅させる制度。
相殺の意思表示をする者が有する債権を自働債権といい、意思表示を受ける者が有する債権を受働債権という。

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Aが相殺の意思表示をしたときは代金債権を自働債権と呼び、Bが相殺の意思表示をしたときは、賃金債権を自働債権と呼ぶ。


相殺の要件


相殺は、次の全ての要件が揃ったときにできる。
この状態を相殺適状という。


①双方の債権が同種の目的を有すること(たとえば両債権が金銭債権)
双方の債権が同種の目的を有すれば、債権額、履行期、履行地が異なっていてもok

②自働債権の弁済期が到来していること
双方の債権の弁済期が到来すれば相殺できるのは当然だが、自働債権の弁済期が到来すれば、受働債権については期限の利益を放棄できるので、その弁済期が未到来であっても相殺できる。

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上図の場合、Aは9/1~相殺ができるが、Bは10/1にならないと相殺できない。

③両債権が存在すること
双方の債権が有効に存在しなければ相殺できないのが原則。ただし、自働債権が時効によって消滅しても、消滅前に相殺適状に達していたのであれば、消滅した債権を自働債権として相殺することができる。相殺適状に達すれば、当時者は相殺の意思表示がなくても決済されたものと考えるのが通常だから。

 

相殺の禁止

次の場合、たとえ相殺適状にあっても、相殺することができない。


①当時者が相殺禁止の特約をしている場合
当時者が反対の意思表示をしているときは、相殺できないが、この特約は、善意の第三者に対抗することができない。

不法行為によって生じた損害賠償債権を受働債権とする相殺



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被害者を保護するため、加害者Aから相殺することはできないが、被害者Bからの相殺は自由。

③債権が第三者の差押えを受けた場合

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Bの代金債権をCが差し押さえた。


①Bは相殺できない。
②Aは、賃金債権の取得がCの差押えより早ければ相殺をCに対抗でき、遅ければ相殺をCに対抗できない。

※①は、債権の差し押さえがあると、Bは、債権を処分する能力が失われると考える。

※②は、Aは、賃金債権を取得した時点で相殺できると期待できる場合のみ相殺できると考える。

 


相殺の方法と効果

1.方法
相殺は、当時者の一方から相手方に対する意思表示によって行われるが、この意思表示には、条件や期限をつけることができない。

2.効果
相殺によって、双方の債権は、相殺適状を生じたときにさかのぼってその対当額において消滅する。
たとえば、両債権の弁済期が10/10である場合に、10/20に相殺が行われると、両債権は10/10に消滅したことになる。
この時点から決済されたと考えるのが普通だから。

 

 

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民法「弁済」②  ~宅建試験勉強~

昨日は隅田川の花火見に行きましたー♪

めっちゃ混んでた( ;∀;)夏気分満載の中、、勉強します(´・ω・`)

今日は「弁済」の続き!

 

 

 

【弁済による代位(代位弁済)】

 

弁済によって他人の債務を消滅させた第三者は、債務者に対して求償権を取得する。

この求償権を確保するために、債権者が有していた抵当権や保証債権等の権利が弁済者に移転する。これを弁済による代位という。

弁済による代位には「法定代理」と「任意代理」がある。

 

法定代理:弁済するについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。

※正当な権利を有する者とは、連帯債務者、保証人、担保物件の第三取得者など。

 

任意代理:弁済するにつき正当な利益を有しない者は、」債権者の承諾を得なければ代位することができない。また、債権者の承諾を得て代位しても。債権者から債務者への通知または債務者の承諾がなければ、代位を債務者に主張することができない。

 

代位者相互の関係

 同一の法律関係について代位者が複数存在する場合、それらの関係は下記のとおりとなる。

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 AのBに対する債権につき、Dが保証人となった。B所有の不動産にAの抵当権を設定し、Bはこの不動産をCに売却した。

 

①Cが弁済した場合、Bに代位を主張できるが、Dに代位を主張することはできない。

②Dが弁済した場合、DはBに代位を主張できる。あらかじめ代位の付記登記をしておけば、Dの弁済後に現れたCに対しても代位を主張できる。

 

 

弁済受領権のない者に対する弁済

弁済を受領する権限のない者に対して弁済しても、その弁済は原則として無効である

ただし、下記の場合は例外的に有効となる。

 

①受領証書持参人への弁済

受領証書の持参人は弁済を受領する権限を有するものとみなされる。その者に対して善意無過失で弁済した場合は有効となる。

 

②債権の準占有者への弁済

債権の準占有者(預金通帳と印鑑を所持している者など、外観上債権者に見える人)に対して、善意無過失で弁済した場合は有効。

 

 

【弁済その他の問題】

弁済の充当

弁済に関する合意があればそれにしたがい、ない場合には以下のようなルールに従って充当される。

①指定充当:BがAに対して複数の債務、たとえば代金債務500万(無利息)と賃金債務300万(利息あり)を負担する場合、Bが300万円を弁済したどちらの債務に充当されるのか。

このような場合、債務者は給付の時にどちらの債務に充当するか指定(意思表示)することができ、債権者はこの指定に反して充当できない。

 

②費用・利息・元本間の充当

一個の債務に費用と利息と元本がある場合、債務者の給付がその債務の満額に満たない時は、費用・利息・元本の順に充当される。

 

代物弁済

債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて別の物で弁済したときは、弁済の効力が生じ、債権は消滅する。

不動産の所有権をもって代物弁済代物弁済の目的とする場合、所有権移転登記その他第三者に対する対抗要件を具備するために必要な行為を完了しなければ、弁済の効力は生じない。

 

弁済供託

債務者は、弁済の提供をしたにも関わらず、債権者が受領を拒否した場合、債務や担保権などを消滅させるために供託所(法務局)に供託することができる。このように、供託も債権の消滅原因の一つである。
民法上の供託は、次のいずれかの場合にすることができる。

①債権者が弁済の受領を拒んだとき
ただし、債権者があらかじめ受領を拒んでいても、債務者は、原則としてまず口頭の提供をしな供託することができない。

②債権者が受領することのできないとき

③債務者が、過失なくして債権者を確知することができないとき
たとえば、相続や債権譲渡などがあったことによって、真正な債権者が誰かわからないような時。

民法「弁済」① ~宅建試験勉強~

今日は弁済(べんさい)について!
 
弁済とは借金を払うとか、売買の目的物を引き渡すというような、債務の内容を実現する行為を弁済という。


弁済の方法

弁済の提供の効果

債務者が債権者に対して弁済の提供をし、債権者がこれを受領することで弁済は終了する。
債務者は、弁済の提供をすれば、たとえ債権者が受領しなくても債務不履行責任を負わない。

弁済の提供 → 受領 → 債権消滅
(債務者)  (債権者)

 


弁済の提供の方法


弁済の提供は、原則として債務の本旨に従って現実にしなければならない。
ただし、債権者があらかじめ受領を拒絶しているような場合は、口頭の提供(現実の提供ができるように準備して、その受領を催告すること)をすれば足りる。
 

弁済の費用

弁済の費用(振込費用や運送料など)は、原則として、債務者が負担する。
※債権者の住所移転などによる増加費用は、債権者が負担する。

受取証書、債権証書

弁済者は弁済受領者に対して、受取証書(領収書)、債権証書(借用書など)の交付を請求することができる。
弁済と受取証書の交付は同時履行の関係に立つが、弁済と債権証書の交付は同時履行の関係に立たない(弁済が先履行)

※抵当権の抹消についても弁済が先履行。


第三者の弁済

弁済は、本来債務者がなすべきものだが、債務者以外の第三者も原則として弁済できる。
ただし、次の場合は第三者が弁済することはできない。

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 ※利害関係のある第三者とは、債務の弁済につき法律上の利害関係を有するものをいい、物上保証人や第三取得者など。親族であっても、それだけでは法律上の利害関係者にあたらない。

 

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②の例:上図で、AとBがともにCの弁済について反対の意思があるときはCは弁済できない。

③の例:Dの弁済につきBの反対の意思があるときは、弁済につき利害関係のないDは弁済できない。

一方、Cの弁済につきBが反対の意思があるときでも(Aは反対していない)Cは利害関係のある者として弁済できる。

 

 

 

民法「危険負担」 ~宅建試験勉強~

今日は危険負担について!マイホームを買って、実際の引き渡しを楽しみにしていたら、、地震で倒壊。。これってお金払わなきゃいけないの!??

 

 

危険負担とは
売買契約が成立した後、引き渡し前に、目的物が債務者(売主)の責めに帰することができない事由(不可抗力)によって滅失または損傷した場合、その滅失または損傷による損害は、売主と買主のどちらが負担すべきかの問題。

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滅失したのが5/1より前であれば契約不成立となり、9/1より後であれば当然に買主が損害を負うため、いずれも危険負担の問題は生じない。
また、売主の故意や過失で滅失したのなら、売主が債務不履行責任を負うため、やはり危険負担の問題は生じない。



不動産売買における危険負担
目的物の全部滅失

 

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①原則
売買の目的物が全部滅失した場合、買主が危険を負担する。
したがって、目的物の滅失により売主の引渡し債務は消滅しても、買主の代金債務は消滅せず、買主は代金を支払わなければならない。

②例外
売買契約に停止条件が付されている場合に、その条件が成就する前に目的物が滅失したときは、売主が危険を負担する。
停止条件とは:

目的物の一部滅失、損傷


売買の目的物が一部滅失した場合は、買主が危険を負担する。
したがって、売主は損傷した不動産をそのまま引き渡せば足り、修繕義務はない。
買主は代金全額を支払わなければならない(減額請求はできない)。なお、停止条件付き売買の場合も同じ。

 

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民法「契約の解除」 ~宅建試験勉強~

今日は契約の解除について!「やっぱりやーめた!」

 

解除とは
契約の解除とは、一方当事者の意思表示によって、有効に成立した契約の効力を解消させ、その契約を初めから存在しなかったことにすること。



解除の種類


約定解除:当事者の約定によって解除権を生じさせるもの。(例:解約手付による解除、買戻しの特約)

法的解除:法律の規定によって当然に解除権が生じるもの。(例:債務不履行による解除、売主の担保責任としての解除)

合意解除:当事者が契約を解消する合意をすること。(解除契約)


債務不履行による解除権の発生】


履行遅滞による解除


債務者が履行遅滞に陥った場合、債権者は、
相当の期間を定めて
履行の催告をし、
催告期間内に履行がなされないときに、契約を解除できる。


判例
債務者が同時履行の抗弁権を有するときは、債権者は催告をしただけでは解除できず、解除をするには、債務者の同時履行の抗弁権を失わせるため、自己の債務の提供をしなければならない。

期間が不相当な(短すぎる)催告も有効であり、そのような催告をした後、相当な期間が経過すれば解除できる。

「催告期間内に履行がないときは、改めて解除の意思表示をしなくても、契約は解除される」という特約は有効。

期間の定めのない債務については、債権者から催告があったときに遅滞となるが、債権者は、その後に解除権を取得するための催告を重ねてする必要はない。

定期行為(開店祝いの花など、一定の期日までに履行がないと契約の目的が達成できない場合)の履行遅滞は、催告を要せず解除できる。



履行不能による解除


履行不能の場合には、催告をしても履行の可能性はないから、催告をせずに直ちに解除できる。

 

解除権の行使


行使方法
解除は、相手方に対する一方的な意思表示で効力が生じる(相手方の承諾は不要)また、解除の意思表示は、後にこれを撤回することができない



解除権の不可分性


契約当事者が多数の場合、解除の意思表示は全員から、又は全員に対してしなければならない。また、一人につき解除権が消滅すると、他の者の解除権も消滅する。



解除の効果


契約の遡及的消滅と原状回復義務
契約は、解除されると初めから存在しなかったことになる。
したがって、各当事者は、相手方を契約成立前の状態に戻す義務(原則回復義務)を負う。


金銭の返還:受領の時からの利息を付けて返還する。
の返還:使用料相当額を付けて返還する。


(具体例)
AB間で建物の売買契約が成立し、Aは手付を受領し、Bは建物の引き渡しを受けた。その後、Bの残金不払いを理由にAが契約を解除した。

 

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Aは、手付に、受領した時からの利息を付け、Bに返還しなければならない。
Bは建物に、引き渡しを受けたときからの使用料相当額を付け、Aに返還しなければならない。
両者の返還(両当事者の原状回復義務)は、同時履行の関係に立つ

 



解除と損害賠償請求


契約を解除しても、損害が発生すれば損害賠償請求は可能。

解除と第三者


解除前の第三者
契約を解除しても、第三者の権利を害することはできない。

 

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A所有の土地がA→B→Cと売買された後、AB間の売買契約が解除された場合、AはCの善意、悪意を問わずCに対して土地の返還請求をすることができない。
ただし、第三者Cが保護されるためには、C名義の「登記」が必要。



解除後の第三者
解除した者と、解除後に取引に入った第三者とは、対抗関係に立つ。

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A所有の土地がAからBへ売買されたが、AB間の契約が解除された後、BがCに対して土地を売却した場合、AとCは、物権変動の第三者の関係に立つ(登記の有無で優劣が決まる)

 



解除のその他の問題


催告による解除権の消滅
解除権の行使について期間の定めがない場合、相手方は、解除権を有する者に対して、相当の期間を定め、解除するかどうか確答するように催告することができ、その期間内に通知がなければ、解除権は消滅する。

 

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